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「そ、そろそろ教室いかない?…さすがにさみぃ…」 少しだけ身震いした河木くんは、僕にそう言い時計を指さす。 (…別に、先に帰ってても良かったのに……) 自分の事よりも、他人を尊重してくれる河木くんに、またドキンとさせた。 僕が河木くんの元へ駆け寄るのを確認すると、河木くんはゆっくりと足を進める。 もう、河木くんは大切な友達だと言えるようにはなったが、まだ隣に立つのは恥ずかしい。 人の目も少しはあるが、席の後ろから河木くんを眺めてきた分、横に立つというのは緊張するのだ。 河木くんはくるっと振り返ると、一歩後ろを歩いてた僕の腕をグッと引っ張る。 (…なっ、) 前までなら隣に来るよう言われてたのに、少し強引に隣に立たせられ、びっくりした。 チラッと横目で河木くんの姿を捉えると不機嫌そうに唇を尖らしてる。 (か、…かわっ…) その可愛さに、悶絶しそうなのを抑えながら河木くんのペースに着いて行った。 キーンコーンカーンコーン… 僕と河木くんが教室へ着いた頃、ちょうど学校のチャイムがなる。 それと同時に、杉山先生が 「席に着け〜」 と叫びつつ、教室に入ってきた。 今日のホームルームではもうすぐ始まる冬休みに関する話し。 内容は、学校の校則を守れとか、勉強を怠るなとか…そんな真面目な話だったけど、クラスにそれは響いてないらしく… 「ねぇねぇ!冬休みさぁ!」「クリスマス、今年こそは彼女と思ってたのにぃ!!」 冬休みの話題について、クラス中がザワつく。 先生もそうなることを分かっていたのか、手短に終わらせると、 「かいさーん!」 と言って教室を出ていった。

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