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「あ、ひろくんには言わないでよ?遊ぶの辞めたのは変わってないし」
「…な、なんで、断らないんですか?」
「ん?…面倒臭いから?(笑)」
分からない。風隼さんという人物が、まるで分からないだ。
(悲しい目をしてる…)
ひろさんの前では、絶対にしない冷たい表情。
「…なんで」
なんで…好きな人がいるのに、どうして……
「…愛されたいから」
胸が酷く傷んだ。
「ふふっ(笑)そんな顔しないでよ?冬麻くんにそんな顔させちゃったら、夏喜に怒られちゃう」
なら、風隼さんもそんな顔しないで。
そんな、貼り付けたような笑顔をみせないでよ
ひろさんの前みたいな、暖かくて優しい笑顔を見せて?
「あ、そう言えばどうしたの?こんな所に来て」
「…え」
「まさか、サボりじゃないでしょ?(笑)」
話をサラッと変える風隼さん。
こうされてしまっては、僕はどうする事も出来ない…
「す、杉山先生が…」
「あぁ!そう言えば、呼ばれてた!!」
僕の性格を分かってて、風隼さんは流したんだ。
ゆっくりと立ち上がり、風隼さんは僕の横をすり抜けていく。
「あ、冬麻くん」
「もう一度言っとくけど、ひろくんには言わないで」
愛が欲しいと言う風隼さんは、本来欲しい人から貰おうとしない。
その代わり、嫌われないように必死なんだ。
だって、ほら…こんなにも冷たい目を僕に向けれているから。
ひろさんに好かれない代わりに他の人を縋る。
ひろさんに嫌われないように、他の人から嫌われる事を恐れない。
全て、ひろさんを思っての行動。
そう思えば、ほら…
こんなにも可愛らしい。
「いいよ…その代わり」
風隼さんは、僕の為に沢山助けてくれた。
僕を応援してくれた。
河木くんに傷つけられても、慰めてあげると言ってくれた
だから…
「ひろさんとクリスマスデート、約束して?」
今度は、僕の番。
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