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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「ひろさんとクリスマスデート、約束して?」
黙ってる代わりにと、提案してきた冬麻くんの案。
「…何言ってんの?」
思わず冷たい口調になってしまう。
それにも怖気ず、冬麻くんは俺の目を真っ直ぐ見てきた。
「だって…僕はデ、デートするん…でしょ?」
少しだけ、顔を赤らめる河木くん。
(…何それ)
いつもは可愛いだけの表情も、俺の心を荒ませるだけ。
「…それが何?」
「ひ、ひろさんの事…す…好きなんでしょ?」
別に冬麻くんには関係ない。
「俺は別にいい「良くない!」
今まで、話など遮ったことない冬麻くんに、俺は思わず「え?」と声を出してしまった。
「な、なんで…そんな、…悲しいこと…言うの?」
…悲しいこと?
「別に、悲しくなんて…「悲しいよ」
「……」
「好きな人と…つ、付き合えないのは…悲しい」
冬麻くんは、何を言ってるんだ。
「別に、どう頑張っても付き合えないよ」
例え、告白したとしても付き合えない。
俺の事が好きなんて…有り得ないんだから。
黙り込む冬麻くん。
やっと、諦めてくれたか…そう思って、俺はその場から去ろうとした
…のだが
「じゃあ、バラします…」
「…は?」
「ひろさんに、バラす」
頭にかぁっと血が上る。
「やめて…「じゃあ、なんでそれは嫌なの?」
胸がぎゅうっと痛む。
「…何で、好かれようとしないのに…嫌われないように…必死なの?」
何も、答えなれなかった。
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