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(陽斗side)
つっきーに頼まれて、今日はれんれんと二人でご飯!
(何だか久しぶりだなぁぁ)
なんて、心をウキウキさせながら教室に戻って来てないれんれんを迎えに行く。
「れんれーん!」
旧校舎の一室に入ると相変わらずスヤスヤと眠るれんれん。
(かぁわいい♡)
可愛い寝顔を見せるれんれんを起こすのに、気は引けたがお昼ご飯を食べれないのは困るので、
「起きてぇぇぇ!!!」
と大声で揺さぶった。
「んぅっ……」
目を閉じていたれんれんがゆっくりと目を覚ます。
「お昼だよ!!今日はつっきーととっきーはいないから!」
れんれんの鞄から勝手に持ってきた弁当を渡し、近くにあった机を引きずる。
「…何でいないの?」
目を擦りながら、れんれんは俺に聞いてきた。
「さぁ?ラブラブ展開になってたりして♡」
仲が良く見ててキュンキュンしちゃう二人には早く幸せになって欲しい
そして、もっと二人の惚気とか聞きたいなぁ♡
「ふーん…」
(……あれ?)
珍しくれんれんが突っ込まない。
(てっきり、茶化してくるんだと思ってたんだけど…)
何処かボーッとしていて、心ここに在らずって感じだった。
「…どうかしたの?」
不安になって、れんれんの頭を優しく撫でる。
その瞬間
ふわっ
(……えっ)
嗅いだことの無い、甘い香水の香りがした。
いや、正確には、嗅いだことはあるのかもしれない…
ただ、それはとっきーと出会う前のれんれんがよく漂わせてた香り。
俺の中で不安な気持ちが一気に高まるのを感じた。
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