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(陽斗side)
れんれんに女の人の香りがすると伝えれば、顔を一瞬真っ青にさせる。
けど、直ぐに顔色を戻し
「キスされただけ」
そう、笑いながら答えた。
胸がギュッと痛くなる。
(離れて行こうとしないでよ…)
れんれんはいつもそう。
普段は自分を着飾らず、思った事は直ぐに言っちゃう、嘘のつかないれんれん。
けど、女の人と何かあった時は違うんだ。
夏喜や他の人の前だとそう変わらないが、俺の前だと距離を置こうとする。
気を使っているという表現が正しいのか分からないけど…なるべく一緒にいたくない
そう、れんれんから伝わってくるんだ。
「ほら、ご飯食べよ。時間なくなるし」
今だって話をすり替えようと必死。
なんで俺の前だけそうなってしまうのか分からないけど…ものすごく寂しい。
「…ねぇ、れんれん」
れんれんの手がピタッと止まる。
「ちゃんと嫌なら反抗しなよ?」
俺から言えるのはそれだけ。
好きでもない人とキスなんて…やりたくてやってる訳じゃないでしょ?
「れんれんの体はれんれんだけのものなんだから…」
大切な大切な…れんれんの体。
誰ふり構わず見せたり、あげたりするなんて…
「心配だよ」
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