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(陽斗side) 「ウザイんだけど」 初めて言われた、おふざけでも何でもない言葉に固まってしまう。 れんれんの本心じゃないって分かってはいるが、何て返したら良いのか…馬鹿な俺には思いつかない。 上手い返しなんて、れんれんが黙っちゃう哲学的な返し方なんてわかんないけど、 「…ウソつき」 「……ウソじゃない」 「嘘なんでしょ?」 「違うって!」 ムキになってるれんれんの頭を優しく撫でる。 そしたら、ほら… 「………」 抵抗もしないで、大人しくなっちゃう。 俺だけが出来る、れんれんを黙らせちゃう方法。 「何?俺がそんな言葉に騙されると思った?」 撫でる手を止めずに、出来るだけ優しい口調で… れんれんに問いかけていく。 「何年れんれんの傍にいると思ってんの?」 そんな言葉で揺れるほど、俺もヤワじゃない 大事に大事に…誰にも渡さずに守ってきた、俺の大切なポジション。 キーパーと同じ…俺一人居ればそれで十分。 「れんれんから言われたウソなんて、痛くも痒くも何ともないんだからね」 俺のれんれんへの思い…舐めないでよ 「…バカじゃないの……」 黙り込んでいたれんれんが、静かに声を出す。 「バカで結構ですよ〜」 れんれんを守るためなら、傍にいられるのであれば… 俺は永遠にバカな奴でいい。 「……バカは嫌い」 ……むむっ!? 「じゃあバカじゃない!!」 「はぁ?」 「れんれんに嫌われたくないもん!」 れんれんがバカ嫌いなら、俺…賢くなる!! 「ぶはっ(笑)」 「…え?」 「ほんっと…バカ(笑)」 えーっと……バカだと俺、ダメなんだよね? 笑いが止まってないれんれんを、混乱しながらただただ見てる。 「賢いひろくんなんか、キモイだけだからやめて」 ……えええええ!?!?

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