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(夏喜side) 「…え、あ…ご、ごめ」 目の前で顔を真っ赤にしながら慌てる羽野に、不覚にも胸をキュンと高鳴らせる。 (…嬉しい) 普通に他の人から告白されて、どこが良いのか…褒めちぎられてもむず痒いだけだが、羽野から言われると…ピュアだから?かな ものすごく嬉しくなって、胸がドキドキするんだ。 「ううん、嬉しい。ありがと」 素直に自分の気持ちを伝えると、また羽野の顔が赤く染っていく。 (かわい…) そう思うのはいつもの事何だけど… 何でだろうね (…抱きしめたい) 羽野に告白されてから、そんな野望なことを思うようになってしまった。 傍から見れば、それは「好き」って思いに見えるんだろうけど…情けない事によく分かんない。 いや、よく分かんないんじゃない。 分かろうと、してないのか? (…好きって……なんだ?) そんな事まで最近自問自答しだして、自分が嫌になる。 「あ、あの…」 顔の赤さが少しだけ引いた羽野が、小さな声で俺に聞いてきた。 「…く、クリスマスって……どう、する…の?」 クリスマス? 「クリスマスかぁ…毎年家族と過ごしてるかな」 今年は親二人で海外旅行に行くって言ってたけど… え、そう考えたら俺ボッチじゃね? 「そ、そうなんだ…」 俺に問いかけただけで、そこからは何も発さない羽野。 「……どうかした?」 何でまたクリスマスなんだろう? 話の話題作りのため? 「…い、いや…か、家族と過ごすんだなぁ…って……」 せっかく羽野が少しだけ話すようになったと思ったのに、 また、今日のファミレスで過ごしてたおかしな羽野に戻ってる。 「…まぁ、けど今年は親が二人で旅行だから、俺ボッチなんだけどね」 そう呟いた瞬間、羽野が物凄い勢いで俺を見てきた。

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