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「…クリスマス?」
俺の問いかけに小さく首を縦に振る羽野。
未だに顔は赤いまま。
(クリスマス誘うのに、こんなピュアな反応する子いる?)
友達とクリスマスを一緒に過ごすぐらい、誰にでもある事だし
まさか、断るとでも思っていたのだろうか。
「良いよ、行こ!」
羽野の目を見ながら笑いかける。
恥ずかしくなっちゃったのか、サッと目をそらされた。
それでもマフラーから覗かせる首元が赤いから、嫌な感じは全くしない。
「クリスマス、羽野のおかげで楽しみになれたよ」
羽野の首元が一層赤く染まっていく。
可愛いなぁ…なんて思いつつ、
クリスマスをボッチで過ごすという結末は羽野のおかげで免れ、おまけに二人で遊べるという特権付きに俺はワクワクとしていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈
「バカじゃないの?」
俺は今、絶賛蓮に呆れられてます。
「いやいや…馬鹿って言われる要素、一つもなくね?」
「…はぁ……冬麻くんが哀れで仕方ない…」
いやいやいや…
馬鹿もよく分かんないけど、哀れの方が謎だ。
「…俺から誘った方が良かった?…とか?」
恐る恐る聞いてみるが、蓮に余計睨まれるだけ。
「…その考え方からして、有り得ない……」
少しだけムッとする。
「じゃあ他に何がダメだったんだよ!友達とクリスマスに遊ぶ事を了承し…「はい、そこ」
「……はい?」
「あのねぇ、何で冬麻くんとクリスマスを過ごす事が〝遊ぶ〟事になってんの?」
蓮の言っていることが理解出来ず、その場で固まってしまう。
そんな俺の姿を見て、蓮は「はぁ…」と大きくため息をついた。
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