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「あ!いたぁぁ!!」
扉付近を見ると、ニコニコ笑顔な陽斗と羽野。
「やっと見つけたぁぁ!」
「いやいや、どこ探してたのよ」
「校舎一周してた!」
「…なんで、初めに自分の教室から見ないかね…」
騒ぎまくる陽斗と対照的に、羽野はどこか浮かない表情。
「で、何でひろくんと冬麻くんが一緒なの?」
「ん?あぁぁ!ちょっと相談に乗ってた!」
(陽斗に相談?)
陽斗に相談することってなんだろう…
(…俺にはしないんだ)
蓮も陽斗も羽野の相談に乗ってるのに、俺は羽野にされたことない…
「…夏喜また変な嫉妬とかしてないよね?」
隣に座る蓮に図星を突かれ、目を見開いてしまう。
「…馬鹿じゃないの……」
俺の顔を見て、蓮がため息をついた。
「あ!つっきーととっきーもクリスマス一緒に過ごすんでしょ!?」
…も、と言いますと……
「俺もね、れんれんとデートすんだぁ」
無駄にでかい陽斗の声に、クラス中が反応しざわつき始める。
「ちょ…馬鹿じゃないの」
「えええ!!れんれんはデートだと思ってないの!?」
「声がデカい!!!」
「うそおおぉ!」とまた、クラス中…いや、下手したら廊下にまで響き渡る声を出す陽斗に、蓮は顔が真っ赤っか。
(蓮も意外と分かりやすいんだな…)
どうせ、自分もデートだと思ってたくせに素直になれてない。
口が経つ蓮も、陽斗の前じゃ骨抜き状態みたいだ。
「もう、つっきーだけだと思ってたけど…れんれんもこんなんじゃ実行するしかないね!」
腕を組んで、うんうんと一人納得している陽斗。
(…何の事だ)
対する羽野は、何故か陽斗の言葉にあわあわと慌て出す。
てか、俺だけだと思ってたってどういう事だよ。
「ふっふっふ…」
面探偵の様に、謎の笑い声を出す陽斗に蓮も嫌な顔を見せた。
「今年のクリスマスは、ダブルデートするぞ!!」
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