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結局、今回のダブルデートはなしという形で終わり、解散した。 「ダブルデート、いつかはしようね?」 河木くんと自分達の教室に戻る時、そんな事をニコニコ笑顔で言うものだから… (…どういう意味……なんだろう…) ドキドキする胸を抑え、いつもの無自覚発言だと自分に言い聞かせる。 (期待したら、バチが当たっちゃう…) 今、隣に河木くんがいるだけで、笑いかけてくれるだけで… 十分に幸せなんだ。 ┈┈┈┈┈┈┈┈ 「あれ?つっきー達は?」 「サッカー部の冬休み中の…活動について、居残りだって」 放課後、校門の前に立っている涼にそう伝えると「そっかぁ」とだけ答えた。 (…風隼さんの事は聞かないのかな?) 涼の事だから、聞いてくると思ったんだけど… 「蓮は寝てんだろ?」 「…へ?」 「だいたい検討着く。」 (そんなに早く検討着くものだろうか…) 疑問に思いながらも、涼は足をスタスタと進め、僕も急いで隣を歩いた。 「冬麻は部活入んねぇの?」 「……え?」 「ほら、中学はサッカー部入ってたじゃん。それに、キャプテンも務めてたし」 涼の言葉に僕は顔を横に振る。 「ふーん」 そうとだけ答え、また涼は前を向いた。 (…マネージャー……どうしよ) そう言えば、河木くんに改めてマネージャーになる事を頼まれていた。 (全然答え、返せてない…) 決して忘れていた訳ではない。 頭の中にあったものの、先延ばしにしていたのは…事実だ。

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