287 / 437
┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「信じてないでしょ?」
「…微妙……」
「なんだそれ(笑)」
僕の眼鏡を涼は指で器用にクルクル回す。
(…返す気ないんだ……)
涼の前で眼鏡してても無駄なだけなんだけどね
視力が悪い訳でもないし、目が痛くならないで済むけど…
「どうせなら前髪も上げてよ」
眼鏡を左手で握りながら僕の前髪をサラッとかきあげる。
「…綺麗な目……」
…こんな目、何処が綺麗なんだか…
「涼って…やっぱ変わってる」
「何で?(笑)」
「僕の目を…綺麗って言ったり……まだ、会いに来てくれたり……」
涼は僕の顔をずっと見てたいって、飽きないって中学の頃からよく言ってたけど…
何処が良いんだか…
ずっと見てたいって言葉の通りなのか分からないけど、今でも会いに来てくれるし
「綺麗だよ、冬麻は…目だけじゃなくて、全て。だから、それを見たくて今でも会いに来てる。」
「全て…?」
「そう、全て」
涼の手がふわりと僕の顔に触れた。
「丸い目も、筋の綺麗な鼻も、形のいい眉も、シャープな輪郭も…」
丁寧に優しく…顔のパーツに手が添えられる。
「……柔らかい唇も」
ドキンッ
ふいに涼の顔が真剣になったような気がして…思わず肩が揺れる。
「…そんなに怯えないでよ…」
パッと涼は手を離し、いつもの柔らかい笑顔で独特の落ち着く雰囲気を漂わせた。
ともだちにシェアしよう!