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「大丈夫、冬麻のこと食ったりしないから(笑)」 「…なっ、なっ…」 「第一そんな事したら、お前の王子様に殺されんだろ(笑)」 お、…王子…様…… その言葉に顔がボッと赤くなるのが分かる。 「ふふっ、相変わらずゾッコンだな(笑)」 「…うるさい……」 「おっ、久々に言い返してきた(笑)」 「……意地悪…」 少しだけ拗ねる僕に対して、涼は何処か楽しそう。 「だんだん、前のお喋り上手っぷりが戻ってきたんじゃない?」 「…涼は余計なこと言うようになった…」 「ごめん、ごめん(笑)」 涼が僕の髪をクシャクシャと撫でる。 (…珍しい) 落ち込んでる時以外、こういう感じで涼に撫でられた事ない僕は、びっくりして涼の顔を思わず顔をじっと見た。 「ん?何?」 「…いや、…珍しいな……って」 「ん?あぁ…何か撫でたくなった」 「何それ…」 理由が涼らしくて、思わず口元が緩む。 「うん、笑った方が何倍も綺麗」 (…笑ってないし……) 突然そんな事をなんの前触れもなく、サラッと言ってくるんだから、心臓に悪い。 本人はそんな気ないんだろうけど… 「で、お悩みは?」 「…へ?」 「惚けても無駄だよ?」 涼の視線が眼鏡も前髪も通さず、直に突き刺さる。 「今の冬麻は表情丸分かり何だから」 どうやら、涼は僕の扱い方が上手な様だ。

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