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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
(冬麻side)
河木くんの少しだけ熱の帯びた目は、僕の目を捉えて離さない。
「……俺」
河木くんがゆっくりと口を開いた、その時だった。
プルルルルル…
「…あ」
近くに置かれた僕の鞄の中から、電話を知らせる音が鳴り響く。
「ご、ごめん!」
空気を壊すように鳴り響いた電話に謝りつつも急いで鞄を取り、中から電話を取り出した。
「もしもし…」
『あ、俺だけど』
「涼?」
突然かかってきた電話の相手は涼だった。
『そう、体調大丈夫?』
「うん、お陰様で……」
大丈夫、そう答えようとした瞬間、ふと後ろから影が重なる。
「!?!?」
ギュッ
(こ、これは……)
『……冬麻?』
よ、世にいう……
「……羽野」
バ、バックハグ……
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