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(夏喜side) 羽野からの言葉がスっと胸に落ちていく。 (いつの間に…そんな、自分の思いを話せるようになったのだろう) 初めて話した時は、目さえ合わなかったのに… 今じゃ、前ほど吃ることなく、目を合わせて気持ちを伝えてくれている。 その事実が、素直に嬉しかった。 「…ありがとう」 ギュッと握られてる手を優しく握り返してみる。 (…真っ赤っか(笑)) 相変わらず、反応のピュアさはいの一番だ。 自分から行動したり、案外大胆な羽野だけど、俺から行動すると直ぐに恥ずかしがる。 (蓮や陽斗からされるのは、慣れてきてるんだけど…) 未だに、俺には慣れてくれてないみたい。 羽野と友達になってから、それは羽野に関する一つの悩みであったが、気持ちを知ってからというもののそれさえも嬉しく感じるのは、やっぱりおかしいのだろうか。 (俺、思ってる以上に羽野のこと…) 遅すぎる自分の気持ちに、思わずため息が出た。 ┈┈┈┈┈┈ 「…あ、あの…手…」 どれくらい、そうしていただろうか。 羽野と繋いでる手が心地よくて、ずっと繋いでいたくて 黙ったままの不思議な空間に 痺れを切らした羽野が恐る恐る声を出した。 「…なに?」 ハッキリ言わない羽野をいい事に、少しだけ羽野に意地悪してしまう。 まだ、離していたくないという思いと、羽野の困ったような戸惑ったような…可愛らしい反応を見てみたくなった。

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