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「…つっきーは、気にならねぇの?」
「……え?」
「冬麻の過去…」
…羽野の、過去……
「そりゃ、気になるよ」
羽野の全てを知りたい、それは過去だけじゃなくて羽野の好きな物から嫌いなもの…どういう家庭で育ったのかどんな子供だったのかまで
羽野に関することで気にならないことなんて、
ないんだ。
「ていうか、気になるから涼さんにも聞いてんじゃん(笑)」
「まぁ、そうなんだけどさぁ…」
「変なの…」
ソファに眠る、羽野の髪をサラッと撫でてみる。
少しだけ羽野が笑ったような気がした。
「…気づいたんだ」
「…え?」
「自分の気持ち」
自分の気持ちって…
「好きだって気づいたんだろ?」
心臓がドクンッと鳴る。
驚きを隠せないでいる俺に、涼さんはニヤリと笑った。
「お前も冬麻も…分かりやすいよな(笑)」
「……そんなに、分かりやすい?」
「おう、冬麻に対する目線が熱くてこっちが痛てぇよ」
「……マジかよ…」
そんな、俺分かりやすかったっけ…
思わず顔を手で抑えると、ふふっと小さく涼さんが笑った。
「何なの?東雲学園の奴らって全員分かりやすいの?」
「え?」
「お前も、冬麻も、陽斗も…蓮も分かりやすすぎ(笑)」
「……蓮も?」
「蓮も」
涼さんが小さく伸びをした。
(蓮って何考えてんのか分かんない奴だけど…)
それってただ単に涼さんの感がいいだけじゃねぇのか?
「蓮は陽斗の事好きだろ?それも、どうしようもないくらいに」
……マジで気づいてる…
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