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第14章 Xmas ~クリスマス~

(冬麻side) ふわりふわりと舞う白い華。 優しく香る、冷たい香り。 色鮮やかな蛍光灯 冬休みになりました。 「ねぇねぇ、今日暇?」 「…きょ、今日?」 「今日!」 先生から冬期講習のことについて、話したい事があると呼び出され、職員室へ向かった時の帰り、たまたま出会った風隼さんに止められてます。 「い、いいけど……なんで?」 「買い物!付き合って!」 か、買い物… そんなの、僕なんかで良いんだろうか…? ひろさんの方が、そういうの上手そう… 分かんないけど… 「言っとくけど、ひろくんとは行かないかんね」 「え?」 「だって、今日買いに行くのは、ひろくんに渡すプレゼントなんだから」 「え!?」 プレゼント…って…… く、クリスマス…プレゼント? 「……そんなびっくりする所?冬麻くんだって、夏喜にあげんでしょ?」 風隼さんに言われて、胸がドキンと鳴る。 「……まさか、考えてなかったとか言わないよね?」 (…そ、その通り……です) 情けなくなって、思わず顔を下に下げてしまった。 「はぁぁ…何やってんの…そんな事してたら、いくら二人でクリスマスデート出来たからって、夏喜他の奴に取られちゃうよ!?」 と、取られちゃう!? い、いや…今だって河木くんは僕のものじゃないし… ていうか、そもそも河木くんは「もの」じゃないけど… ほ、他の人と…つ、付き合ったりとか……し、しちゃうのかな…? (そっか、……そういうパターンもあるのか……) 告白したからって、キープして貰えてるからって…河木くんが他の人と付き合う可能性は十分あるのか…… 「どうする?今日、一緒に夏喜へのプレゼントも選ぶ?」 風隼さんの言葉に下げていた顔を思いっきし上げる。 「ぜ、ぜひ!」 河木くんに…喜んで貰わなくちゃ……!!

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