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「うーん…やっぱ、実用的な方がいいのかな?」 「…な、何でも……喜んでくれそうだけど…」 「そりゃそうでしょ、俺が選んだプレゼントなんだから」 つ、…強い…… 絶賛、僕は風隼さんと一緒にお買い物中です。 「河木くんって…何が欲しいんだろ……」 「あぁ…夏喜は甘いもの以外だったら何でもいけるって」 「あ、…苦手なんだよね、確か」 「そうそう、昔っから甘いのだけは食べれなかったんだから」 甘いもの…かぁ…… (覚えとかなきゃ…今後?の為に……) 「風隼さんは…好き、なんだよね?」 「ん?何が?」 「…甘いもの」 「あぁ、俺は甘党だから(笑)」 けど、コーヒーはブラックなんだ… 「なに?意外とでも言いたいわけ?」 「そ、そんなこと…!」 断じて違うと頭をブンブン横に振る。 「ふはっ(笑)冗談‎だって」 可笑しそうに風隼さんは顔を手で仰ぐと、そのまま実用品コーナーへ向かった。 「ん〜…あの人何が欲しいんだろなぁ…何か知ってる?」 (ひろさんの好きな物…) 頭の中に出てきたものは……風隼さん… (いやいやいや……風隼さんは「者」であって、「物」じゃないし…) ひろさんにとって、この世で一番欲しいものは「風隼さん」なんだろうけど… 流石に言う訳には…… 「…やっぱ、知らない?」 「…う、うん…」 「だよねぇ…」 小さくそう呟くと目の前にあったマグカップを風隼さんは手に取り、少しだけ眺めていた。

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