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「あ、あの…」
無言のまま、風隼さんはスタスタと足を進めていく。
……かと思いきや
「うわっ!」
突然足を止め、思わず僕は風隼さんにぶつかってしまった
「す、すみませ…「ここ」
「へ?」
「ここ、俺ん家」
ぶつかって下に向いていた視線を前に向ける。
「……うわぁ…」
思わず声を漏らしてしまった。
「…?なに、どうした?」
「な、なにって…」
辺りは閑静な住宅街。
てっきり、そこに紛れるごく一般的な家なのかと思っていたけど、
「…不思議な家……」
ただ大きくて、綺麗な豪邸な訳では無い。
白を基調としたシンプルな色合いと対称的に円や角を様々な箇所で帯びている個性的な形。
「父さんが作ったからね(笑)」
あ、そっか…
ずっと一緒にいたから、忘れてたけど風隼さんは風隼壱作の息子だったんだった。
…って、今思えば僕の友達って芸術に関わる人多いな…
二人だけだけど
「ほら、入るよ」
「え、え、…え!」
風隼さんに押されて、扉の前までやってくる。
ガチャッ
扉を開いたそこは
「…うわぁぁぁ……」
真っ白な外見とは違い、カラフルな色で辺りが染められていた。
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