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30分ほど経った頃。
「はい!」
何だか眠くなってきてウトウトしていると、先程まで全く聞いてなかった風隼さんの声が耳に届いたので目をこじ開けた。
「……え、はいって…?」
「ほら、選んだから着てみて」
「う、…うん」
本当に似合うのだろうか…どんな服なのかも分かってないが、風隼さんが着ている服だ。
オシャレなのに決まってる。
「俺、外出てるから着替えたら言ってね」
風隼さんはそれだけ言うと扉の外へと出ていった。
「よ、よーし…」
風隼さんの期待に応えられるか分かんないけど…
が、頑張って着るぞ…!!
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(蓮side)
冬麻くんは、イケメンだと思う。
顔のほとんどは見た事ないし、髪はボサボサだし、女子がキャーキャー言うような見た目じゃないけど、それは冬麻くんの策略なのだろう。
それか、本当にダサいのか…
「眼鏡、外せないかなぁ…」
誰よりも自分の目を見られることを恐れてる冬麻くん。
よっぽどコンプレックスなのだろうか…
顔から半分下は凄く整ってて綺麗だと思うけど…
「何だろ…目が米粒みたいに小さいとか?」
全く想像つかないけど…
「あ、あの…着替えられた…よ」
冬麻くんの自信なさげな声が耳に届く。
「お、じゃあ開けるね〜」
声に籠る不安な要素を無視しながら、扉をガチャりと開けた。
のだが、
「…………」
思わず声が喉に詰まる。
「あ、…あの……」
「……………」
「あ、…やっ、やっぱ変…「こりゃやばいな」
やっと出てくれた声の感想は、心から出てきた本音だった。
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