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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
(冬麻side)
や、やばい?
やばいとは…どう……やばい??
「あ、あの…「よし、髪あげちゃっていい?」
「…え!」
突然言われた言葉に、思わず固まってしまう。
「…ダメなの?」
(う、うう…)
久々に使ってきた、風隼さんお得意の上目遣い……
「だ、ダメって言うか…」
「だって、眼鏡外させてくれないんでしょ?」
その言葉にも、思わず固まってしまう。
眼鏡は…まだ、もう少しだけ…外したくない…
「なんで?よっぽど目が悪いの?」
「そうでは…」
「じゃあ、なんで?」
まだ、躊躇ってしまう。
言っても害のある事ではないって、
風隼さんに言ってもバカにされたり、冷たくされたりされないって分かってる。
…分かってるんだけど……
「………」
スっと風隼さんの手が僕の髪に伸びる。
「っ!?」
そのまま、前髪を優しく上げられた。
「うん、そっちの方が可愛さ倍増」
「……へ?」
か、可愛さ??
「無理に上げろとは言わないし、眼鏡を外したくない理由も…無理矢理言わせたいとは思わない。……まぁ、気になりはするけど」
風隼さんが僕の前髪をパッと離した
「けど、せっかく俺が可愛くしてあげたんだからさ、今のままでも夏喜へのダメージ最高だと思うけど……撃沈させたくない?」
…げ、撃沈?
「え、…“やばい ”って、似合わなすぎてって意味じゃ…「んなわけないじゃん!」
風隼さんの勢いに押され、思わず肩をビクつかせた。
「今の冬麻くんはね…」
風隼さんの手が僕の肩を強く握る。
「普段の冬麻くんとは考えられないほど可愛い」
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