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「い、いや…あの…」 風隼さんに可愛いだなんて… 少しだけ照れてしまい、顔を赤らめてしまう。 「あ〜…こりゃ、夏喜の生命が心配だ…」 「へ?」 「いや、こっちの話」 風隼さんが少しだけ苦笑いをすると、頭を搔いた。 自分の前髪をちょっとだけ上げてみせる。 (……こんなの、上げても上げなくても変わんないと思うけど……) 「前髪上げるだけでも、印象って凄く変わるんだからね?」 風隼さんが僕に向かってビシッと指を指す。 「それに、男って髪の毛切るとか鈍感だったりするけど、夏喜は敏感なやつだから」 (多分、僕も鈍感な方なんだろうな…) 髪切ったのに気づくなんて… いかにも、モテそう… 河木くんがモテることに百も承知でいたけど、ちょっとでもモテ要素を見つけてしまうと何故だか少しだけ落ち込んでしまう。 きっと、河木くんに思いを寄せるのは、僕だけじゃないんだって… 分かっているのに、何度も突きつけられてる気がして… 仮に風隼さんの言うよう、今より“可愛く ”なったとしよう。 けど、それはほんの少しなだけで… 河木くんに思いを寄せる人達を、超えるほどではないと分かっている。 僕みたいに河木くんを見て胸がドキドキする様に、河木くんが僕をみてドキドキしてくれるとは限らない。 ……けど、 「…前髪…上げたら、河木くんは“ 可愛い”って思ってくれる…かな?」 河木くんに、振り向いて貰える可能性があるのなら か、“ 可愛い”って少しでも、思って貰えるなら… 「うん、俺が保証する」 ちょっとだけ、…頑張ってみようかな

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