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「え、誰?」 「ダサ…」 「え〜、私格好はタイプ♡(笑)」 羽野を見てクスクス笑う子に、怪訝そうな顔を見せる子… 真ん中にいる女の子は戸惑ったような表情を見せていた。 「あ、あの…」 女の子が再び小さく声を出す。 が、 ギュッ 「!?!?」 「か、河木くん…いこ」 (や、やばい…) 少しだけいつもより強気で…なのに、俺に懇願する様な目を向けた羽野は、グイグイと俺の裾を引っ張る。 「なに、コイツ」 「邪魔すんじゃねぇよ」 「今、この子頑張ってんだけど?」 隣でそんな声が聞こえたが、正直頭の中には入ってこない。 「あ…わ、私じゃ…ダメ…ですか?」 真ん中にいた女の子の不安げな、か弱い声も耳に入ってきたが今は… 「河木…くん」 羽野以外の奴ら全員、可愛いなんて思えない。 頭の中にこれっぽっちも入んないんだ。 「ごめん、今日、この子と約束あるから」 俺の裾を引っ張る、羽野の腕をそっと離す。 その一瞬、悲しげな表情を見せたが、勘違いされないよう直ぐに手を握った。 (顔真っ赤っか(笑)) さっきまでの強気な視線はどうしたのか、乙女の様な可愛らしい反応に胸がキュンっと高鳴る。 「え、あっ…」 「だから、ごめんね?」 先程思った、“戸惑いの表情 ”とは違い、“ 戸惑いを隠せないでいる”という表現の方が近い、反応を見せてくる女の子。 取り巻いてる女の子三人組は、何やら文句を言っている様だけど、今度は耳にも入らない。 「行こっか?」 せっかくの、デートだ。 こんな事に時間を取られてる暇なんて、俺にはないんだ。

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