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「あ、そう言えば…」
河木くんが何か思い出したかのように僕の目を見る。
「は、はい」
何の事だろうと少し緊張気味に聞き返すと
「いや…マネージャーの件だけど…」
あ、そういえば保留にしていたんだった。
「いや、ごめん…こんな、クリスマスに言うことじゃないのかも知れないけど、ちょっと気になって」
河木くんが申し訳なさそうに眉間に皺を寄せる。
それに対して、僕はブンブンと首を横に降った。
実際、今日は忘れてたけど…ここ最近、自分の中で考えてはいたし、出来るだけ早く見つけださなくてはならない自分の気持ちでもあった。
たくさんの葛藤もある中で、ひとまず自分の中で一つの答えを見つけたんだ。
「…マネージャー、引き受けたいと…思ってる」
僕の言葉が意外だったのか、河木くんはびっくりしたように目見開く。
そして、
「嫌なら嫌でもいいんだよ?」
と問いかけてくれた。
でも…
「このままじゃ、…進めない気がするから…」
「………」
「向き合わなくちゃ…周りと、自分に…」
今、この小さな挑戦を断ってしまったら、きっと一生このままな気がする。
勘は悪いほうじゃない…良い意味でも悪い意味でも
だから…
「もう、逃げてばかりは……嫌なんだ…」
誰のためでもない、これは自分自身のため。
自分の胸の前でギュッと手を握り合わせる。
その手にそっと河木くんの手が優しくあわさった。
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