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「ふはっ、かわい(笑)」
「か、かわ…!?」
「ほんと、羽野って見てて飽きないっていうか…ピュアすぎるというのか…(笑)」
チラッと河木くんの顔を見るといつもより、少しだけ柔らかい優しい笑顔…
そんな笑顔に思わず胸がきゅんっとなる。
「…羽野?顔…真っ赤」
「っ!?」
河木くんの手がそっと僕の方へと伸びてくる。
思わず肩を揺らし、構えそうになったが優しい視線に固まってしまった。
「……?大丈夫?」
だ、大丈夫とは…ど、どういう…
(いや、か、顔が赤いのは決して体調が悪いわけではないし…け、けど今この状況は…だ、大丈夫では……)
いつもなら、顔が真っ赤だって笑うのに、なんで今日は心配してくるんだ!?
「もし、体調悪かったら言ってね?」
い、いや…優しいのは十分足りすぎてますけど…別に悪くないし……
「デートだからって、無理して一緒にいようなんて思わなくていいからね?」
(……え?)
河木くんの顔を目線だけでなく、顔ごときちんと見る。
先程と違い不安そうな表情…
(もしかして…顔が赤くなって心配したのも、気にかけてくれてるのも…デートだから?)
僕が無理をしているとでも言うのだろうか…?
そんなの……
「やだ…」
「え?」
「別に無理してないし、…体調も悪くない…よ」
触れている手の袖口をキュッと引っ張った。
「無理して一緒にいるんじゃない…、僕が一緒にいたいから…いるだけ……」
なんのために、今日河木くんを誘ったと思ってるんだ。
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