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(涼side)
今頃、つっきーと仲良くやってんのかと思ってた矢先
「…冬麻!?」
ふらつきながら足を動かす冬麻の姿を見つけた。
「おい!?どうした!!」
急いで駆け寄り、崩れ去った体を抑えるが、呼吸は過呼吸気味になっており、立っているのもままならない状態。
(…ヤバいな…)
とにかく、建物内に入ろうと、冬麻を抱えアトリエ内に入った。
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(一体何が…)
さっきまで作品作りに没頭していた、絵の具の匂いが漂う部屋の中で、仮眠をとるためだけに置かれたベットへ冬麻を寝かす。
「…ごめんね」
どうやら気は失ってないらしく、ようやく言葉を発する。
「…なんで謝んだよ」
「作品…作んなきゃなんないのに…」
(こいつ、バカか?)
「あんなぁ…今は俺の作品の心配より、自分の心配しろ!」
呆れながらも冬麻の頭を優しく撫でてやる。
そうしたら、安心したように目をそっと瞑った。
「…冬麻、無理して答えなくてもいいから、聞いてもいいか?」
俺の問いかけに、冬麻はビクッと肩を揺らす。
(やっぱ、ダメか…)
今の冬麻の状態は少し落ち着いたとはいえ、明らかに不安定な状態。
暖かい飲み物でも持ってこようかとベットの傍から立ち上がると、
「…いいよ」
「…え?」
「…誰かに言わないと……また、壊れてしまいそう…だから」
「壊れてしまいそう」
その言葉にヒヤッと背中が凍る。
「まさか…中学の…」
その言葉を発した瞬間、また、冬麻の肩がビクッと揺れる。
(…やっぱり)
一気に中学の奴らに殺意が沸いてくる。
(…許せない)
何で冬麻が苦しむ必要があるのか、何でこんな大切な日にアイツらと出会ったのか、
何で…
あの時、自分は冬麻を一人にさせてしまったのか。
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