345 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

(涼side) 今頃、つっきーと仲良くやってんのかと思ってた矢先 「…冬麻!?」 ふらつきながら足を動かす冬麻の姿を見つけた。 「おい!?どうした!!」 急いで駆け寄り、崩れ去った体を抑えるが、呼吸は過呼吸気味になっており、立っているのもままならない状態。 (…ヤバいな…) とにかく、建物内に入ろうと、冬麻を抱えアトリエ内に入った。 ┈┈┈┈┈┈ (一体何が…) さっきまで作品作りに没頭していた、絵の具の匂いが漂う部屋の中で、仮眠をとるためだけに置かれたベットへ冬麻を寝かす。 「…ごめんね」 どうやら気は失ってないらしく、ようやく言葉を発する。 「…なんで謝んだよ」 「作品…作んなきゃなんないのに…」 (こいつ、バカか?) 「あんなぁ…今は俺の作品の心配より、自分の心配しろ!」 呆れながらも冬麻の頭を優しく撫でてやる。 そうしたら、安心したように目をそっと瞑った。 「…冬麻、無理して答えなくてもいいから、聞いてもいいか?」 俺の問いかけに、冬麻はビクッと肩を揺らす。 (やっぱ、ダメか…) 今の冬麻の状態は少し落ち着いたとはいえ、明らかに不安定な状態。 暖かい飲み物でも持ってこようかとベットの傍から立ち上がると、 「…いいよ」 「…え?」 「…誰かに言わないと……また、壊れてしまいそう…だから」 「壊れてしまいそう」 その言葉にヒヤッと背中が凍る。 「まさか…中学の…」 その言葉を発した瞬間、また、冬麻の肩がビクッと揺れる。 (…やっぱり) 一気に中学の奴らに殺意が沸いてくる。 (…許せない) 何で冬麻が苦しむ必要があるのか、何でこんな大切な日にアイツらと出会ったのか、 何で… あの時、自分は冬麻を一人にさせてしまったのか。

ともだちにシェアしよう!