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(夏喜side) 何も出来なくて、そのまま立ちすくんでいる。 どれくらいそうしていただろうか。 「うわぁぁぁぁ…」 周りから歓声があがる。 その声に上を向くと (……雪) はらはらと舞い落ちる美しい雪。 その雪を彩るように輝き続けるイルミネーションに皆釘付けだ。 (本当に、ホワイトクリスマスになった…) この景色をもし、羽野と眺めていたなら、目をキラキラと輝かせて嬉しそうに微笑んでくれただろうか… そんなことを思う度に胸が傷んで仕方ない。 (何で俺は、何も出来ないでいるんだろう) 以前にもこんなことがあった。 結局何も出来ずに立ちすくんでしまっていたこと。 (羽野を涼さんが連れ去って行った時だ…) 立ちすくんで何も考えられなかった俺の所に、確かその後… 「つ、つっきーー!?!?」 「ちょっと、どうしたの!?」 (…こんなとこまで、一緒なのかよ…) 見た事のある光景に思わず苦笑いしてしまう。 「ちょ、こんなこと二回目だけど…冬麻くんは!?」 どうやら、思っていることは俺と同じなようだ。 けど、なんて答えていいのか分からずに声を出せないでいる。 「…何があったの?」 柔らかい陽斗の問いかけに下がりかけていた顔を上げる。 (何があったのか…) 「…分からない」 「…え?」 「……分かんないんだ、何があったのか」 検討が全くと言っていいほど見当たらない。 「…誰か、とっきー以外にその理由が分かる人とか…いないの?」 (他に…分かる人……) 「涼さん……」 「え?」 「涼さんなら、知ってるかも…」 多分、羽野に何かあったとするなら、過去に関することだ。 その事実を知っている…唯一の人は… 「行こ」 「……え?」 「涼くんの所、行こ」

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