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(蓮side)
「ねぇねぇ!イルミネーション行こうよ!」
「…良いけど……」
ひろくんとの何の色気もないデートは後半に入り、呆れ返る俺に気付いてないのかひろくんの機嫌は最高潮。
(こんなの、デートなんて言わないじゃん…)
何となくこうなる事を予想はしてたけど…
俺に「デート」だと認識させるため、意気込んでいたから、ちょっとだけ期待してた自分がバカみたい。
てか、イルミネーションって…
「まさか、東風イルミネーションじゃないでしょうね?」
「ええええ!!何で分かったの!?」
「この辺じゃ、東風イルミネーションしかないでしょ…」
「良いじゃん!!噂ではめっちゃ綺麗らしいよ!!」
いや、その事を一番知ってるのは俺だし…
このバカ分かってんのかな?
「俺の父親が作ったんだから当然でしょ…」
「…へ!?」
ひろくんが間抜けな顔して、俺の方を勢いよく向く。
「そうだったの!?」
「…はぁ、何で今の今まで知らなかったわけ?」
第一、「東雲イルミネーション」じゃなくて「東風イルミネーション」にしてる時点で何となく察して欲しい…
(この様子じゃ、ジンクスなんか知んないよな…)
もしかしたら、ちょっとだけデートっぽくなるかも…なんて、思ってたけど…
(…そこまで、考えてるわけないか…)
「着いたよ!イルミネーション!!」
ひろくんの、バカでかい声に思考が現実へと戻る。
一人で悶々と考え込んでる間に、いつの間にか着いていたようだ。
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