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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「何言ってんの?ほら、行くよ」
「…ちょっ」
俺の言葉に何故か少し不機嫌気味なひろくん。
「何不機嫌になってんの?」
負けじと俺も不機嫌オーラMAXで対抗するが、引っ張る腕の力も抑えずにズンズンと光の道を進んでいく。
こうなってしまったら、俺は何も言えない。
「…痛いんだけど」
それだけ呟くと、少しだけ力が抜けた。
2人の間で再び無言が訪れる。
ほんの少し、不安になってひろくんの顔をチラッと盗み見た瞬間…
「「わぁぁぁぁぁ!」」
「っ!びっくりした…」
突然聞こえた歓声に俺もひろくんも肩が揺れた。
「何があったんだろ…??」
さっきまで無言で、少し不機嫌だったひろくんがキラキラした目で辺りを見渡す。
「…ツリーでも点灯したんじゃない」
「転倒!?!?」
「点 灯 !!」
「なーんだ!光る方の点灯か!!」なんてゲラゲラ笑いながら掴んでいた俺の腕を離し、手へとすり替えられる。
「!?!?」
「ほら!デートなんだからね!離しちゃダメだよ?」
ギュッと優しく包み込まれた手。
(……狡い)
頬が一気に赤くなるのを感じる。
そんな俺を見て、何故ひろくんまで顔が真っ赤になったのかは俺は知る由もない。
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