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(陽斗side) 「……すっげぇぇぇぇ…!!」 れんれんの手を引っ張り、声の集まる方へ足を進ませると、れんれんの言う通り、ツリーが点灯していた。 「……確かに」 先程とは打って変わってやけに素直なれんれん。 (「そりゃそうだろ」とか絶対言うと思ったんだけどな…) 不思議に思って、チラッとれんれんの顔を見てみると バチンっ 「っ!?!?」 (め、目思いっきし合っちゃったぁぁぁ!!) 何だかむず痒くなって、思わず目をサッと背ける。 けど、れんれんからの視線はまだ俺に注がれてるようで… (な、何!?そ…そんな俺の顔みてもなんも出てこないよ!?!?) ツンとデレというのか…飴と鞭というのか… 今日は特に激しい気が… 「ねぇ」 (!?!?) れんれんからのお声かけと共に、俺の袖をギュッと引っ張る。 バクバク煩い心臓を抑えながら、視線を移し替えると ドキンッ 目の奥の方を射抜くような強く、真っ直ぐな視線に体が固まった。 「ど…どうした…の?」 ぎこちなくなりながらも声を無理くりだし、笑顔を見せる。 「…いや…、そんな大したことじゃないけど」 なんて、視線を俺から外してしまうから… (…何それ) 掻き乱すだけ、掻き乱しといて… いざなんも言わないの? 「れんれ…「ひろくんはさ」 少しだけ不安げな声色と、目の揺らぎ。 出来るだけ優しく、そっと… 「ん?」 暖かく包み込んでみる。 「ひろくん…はさ…」 「東雲イルミネーションのジンクス…知ってんの?」

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