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(冬麻side) 「………ま、と…ま」 涼のベッドで寝ていると、誰から名前を呼ばれているようだった。 「…とう…ま、……冬麻」 段々とその声も大きくなっていき、ボーッとした頭も覚醒してくる。 「冬麻…冬麻……」 重い瞼を開け、声の主を見るとそこには心配そうに眉を下げる涼の姿。 「……りょ、う?」 何時もより涼の顔がハッキリ見えて、周りを見ると近くの机に眼鏡が置かれている。 前髪も上で束ねられていた。 「体調は?」 「…うん、だいぶ楽だよ」 僕の言葉に涼はホッと胸を撫で下ろす。 「無理はすんなよ」 「…ありがと」 涼はふわっと微笑むと僕の頭をクシャッと撫でた。 「…冬麻」 クシャクシャ撫でる手を止めると、頭上から少しだけ不安気な涼の声。 それに違和感を覚え、涼の顔を覗き込む。 (……涼?) 「…あのさ」 言いにくそう…という言葉が正しいのだろうか、普段ハッキリしている涼の見たことない姿にほんの少しだけ驚いてしまう。 「……」 僕も黙って続きを待つしかなく、二人の間に少しだけ無言が続いた。 涼がふぅと小さくため息を着く。 そして、そのまま僕の顔をじっと見つめると 「…つっきー達が来た」 何時もより低い声で真剣な表情をした涼は、静かにゆっくりと僕に告げた。

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