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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「…会社の跡継ぎ?」
授業のことは一旦忘れさせ、俺の隣に座らせる。
「…そう、俺に跡継げって」
ボソッと呟くように言うと、冬麻は悲しげに笑った。
「ま、分かってたことだし、拒否権なんかないんだけどね」
ほら、まただ
冬麻は直ぐに守りに入る。
それも無意識のうちに
家柄の事となると余計にだ。
「って、ほら!授業!!」
少しの間も許さないかのように、直ぐに話を切り替える冬麻。
「…げ」
「げっ、じゃない!!」
さっきのまでの悲しい笑顔が嘘のように、太陽のような
この古びた資料室に差し込む光のような眩しすぎる笑顔。
その笑顔が綺麗で可愛いくて、痛くて苦しくて
俺の心をいっぱいにさせるんだ。
「ほら!」
「…ちょっ」
俺の腕を引っ張りながら、資料室を出ると、チャイムの鳴る少し前のザワついた廊下を走り抜けていく。
視線をかっさらっていく。
冬麻のことなど何にも知らない、本能と欲望を抑えきれてない汚い視線を浴びていく。
(…だから、教室には行きたくない)
そんな俺の気を知ってか知らずか
「おー!涼連れてこれたのかよ!」
「苦戦しすぎだろ(笑)お前」
「わりぃかよ、涼全然起きてくんねぇから(笑)」
いつものように、クラスメイトと仲良さげに肩を寄せあって話し出すんだ。
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