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「………」 ふと、手紙の便箋に目がいく。 (…え、あれって……) 真っ白でシンプルなデザインの便箋には有名な会社のロゴがひとつ 「 え!?冬麻ラブレター貰ったのかよ!?」 「ちげーよ(笑)なぁ、涼」 頭の中が一瞬、真っ白になる。 「……」 「…涼?」 冷や汗が頬を伝う。 「冬麻、あいつ…………」 噂はあんまり信じない。 信じていい事なんてほとんどないから。 けど… 「あ!この便箋!‘ ホテルkouno ’の期間限定商品じゃんか!!」 隣にいる男子が興奮気味にバシバシと冬麻の肩を叩く。 「え、そうなの?」 「そうなのって…これ、限定15名しか手に入らない代物だぜ!?」 「ええっ!」と冬麻の驚く声が教室に響き渡った。 本当に何にも知んねぇな…なんて心の中で思いながらも胸のざわめきは消えてくれない。 前にクラスの女子が話してるのを聞いたことがある。 ┈┈┈┈┈┈┈ 『ねぇねぇ!知ってる!?この学校にホテルkounoの社長の息子がいるってこと!』 『まじ!?…え、けどそれって羽野グランドホテルのライバル会社じゃ…』 『そうなの!!……しかも、噂によると…』 『裏社会と繋がってるらしいよ』 ┈┈┈┈┈┈┈┈ そんな女子の会話を思い出し、体が一気に冷えていくのを感じた。 別にさっきのやつがホテルkouno社長の息子とは言ってないし 息子が裏社会と繋がってるとも限らない。 けど、もしあいつが息子だったら… 裏社会と繋がっていたら…… (…やばいんじゃないか……)

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