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その日から、何日か経つものの、あいつは…峻は俺の前に姿を現さない。
それは、冬麻も一緒のようで
「どうしたんだろ…」
たまにそんな事を呟くようになった。
「…なぁ、冬麻…」
絵を描いてる俺の隣で寝っ転がってる冬麻。
俺が名前を呼んだからこっちを見たんだろうけど…
「…いや、何でもねぇ」
俺がそう続けると直ぐに目線を空に移す。
…今も峻のことを考えてるんだろうか
冬麻が本当に心を許してる相手は俺しかいなかった。
これは自意識過剰とかではなく、ずっと見てきたから分かること。
もし、俺にも心を許してないのなら、冬麻自信が信頼してる人はいない。
そう言いきれるほど、自信はある。
けど、あいつは…
(なんちゅう顔だよ…)
会えないってだけで、人気者で明るい冬麻を悲しい色に塗り替えられる力を持っている。
冬麻の信頼を得ようとしている。
それは、本来喜ぶべきことなのかもしれない。
…けど
(…くそ…)
まだ、小さな骨が…針が抜けてくれない。
そのせいで未だに何の手紙だったか、聞くことさえ恐れてしまうんだ。
「…なぁ、涼」
ずっと空を眺めていた冬麻が突然俺に声をかける。
「何?」
少しドギマギする気持ちをグッと抑えて、冷静な口調で答えると
「…向日葵っているかなぁ」
「………はぁ?」
突然意味のわからない質問をしてくるものだから、思わず聞き返してしまった。
「…いや、だってさぁ」
「………何?あの峻とかいう奴が‘向日葵’とでも言うの?」
まさか…っと思い、向日葵と似ても似つかないあいつの名前を出すが
「いやいやいや!!それはない!!!断じて!!」
必死に首を横に振る冬麻が可笑しくて思わず吹き出してしまった(笑)
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