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冬麻のお手伝いさんの車に乗せられて、初めて来た、冬麻の別荘。
広すぎる敷地内に驚きながらも、ベッドの上に冬麻を寝かし、昔から冬麻を知っているというお医者さんが体の状態を見た。
心臓などに害はなく、熱が出ているのみ。体も傷がいくつかあるものの、目立った外傷はなく…性的な暴行をされた跡も見つかってはない。
ただ、
「…目の火傷ですが。…かなり酷いものかと。」
放置され続けた瞼の火傷は、冷やしたものの腫れが引く様子が見えない。
かなり、目立つその傷は
「…一生傷になるかと」
そう、残酷な知らせを本人より先に知らされた。
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「ギャハハ!お前それはねぇよ」
「おい、ライター貸せって」
「俺持ってねぇし」
「おめぇ、ついさっき使ってたじゃねぇか!」
タバコの匂いに下品な笑い声。近くには暗闇に紛れるあの工場。
ガサッ
「あぁ?…なんだおめぇ」
近づく俺に金髪の1人が俺を睨んできた。
俺はそれを無視して、目の前まで足を進める。
「おい、おめぇ…!」
何も答えない俺に腹が立ったのか、6人ほどいるグループの1人が俺に食ってかかった。
それを直前でかわすと、真ん中にいたリーダーらしき男が一瞬目を開け、笑いだす。
「お前、もしかして羽野 冬麻の連れか?」
「……」
「復讐にでも来たか(笑)」
その途端、確信する。
こいつらが、冬麻を傷つけた奴らだと。
心も身体もズタボロにさせた奴だと。
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