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1時間ほど前…
冬麻が眠ってる間、お手伝いさんにここら辺で暴力団などがいないか質問をした。
その答えはNO。
が、その代わりに巷で有名なチンピラがいると言うことを聞いた。
話によると、かなりヤバい奴ららしく犯罪じみた行動が数多く目撃されてるものの、何故か警察は動かないまま。
有力な情報に、気付いたら体が動いていて、未だに目を覚まさない冬麻をお手伝いさんに任せると家から飛び出た。
チンピラが集まりそうな所など数多く思い浮かばない。
けど、工場の近くにいるとするなら…
そう思い、工場の近くへ無我夢中に走っていると目に入る暗い路地裏。
小さく息を吐くと、恐怖心など忘れ吸い込まれるように足をそこに向かせた。
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不幸か幸いか、1発で見つかった憎い奴らに怒りが理性の壁を破壊していく。
「…冬麻に何した」
「ピリピリしないでよぉ、ちょ〜っと痛みつけただけ♡」
大したことないとでも言うような…挑発的な態度に手が出そうになるのを必死に堪える。
「誰の指示だ」
声を荒げず、相手の策略に乗らないよう…冷静に…
「あれぇ、冷静だなぁ…」
面白くないとでも言うように、口をへの字に曲げたソイツはポケットをガサゴソと探り出す。
そして、スマホを手に持ったかと思えば取り出した勢いでヒラヒラと落ちた紙。
「…!?」
そこには見た事のあるロゴと
「鴻野 高志」
kounoホテル社長の名前が書かれていた
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