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「大丈夫ですか!?」
裏道に回されると冬麻を抱えて乗った高級車が一台。お手伝いさんが顔を真っ青にさせて車から出てきた。
「大丈夫です……ご迷惑をおかけしました」
頭を下げる俺にお手伝いさんは少し戸惑うと
「乗ってください」
そう、促し俺を車の中に乗せた。
(あいつらは…どうなるんだろう)
今までkounoホテルに守られて捕まらなかったとは言え、羽野グラウンドホテルの息子に手を出した訳だ。
業績や権力など互角とはいえ、長い歴史とクリーンなイメージは羽野グラウンドホテルの方が上。
裁判所がkounoホテル側に着いていたとしても、マスコミが放っておくわけないだろう。
(後は、香山 峻がどうなるか…か…)
正直、捕まることはない。
いくらアイツらが警察にチクろうと、マスコミが騒ぎ立てても起訴することは有り得ないだろう。
(親が縁を切ったら…話は別だが)
ずっと、香山 峻に対して、疑問に思うことがある。
それは、何故冬麻をあんな目に合わせたのか
親がライバル同士だからなのか
そのために近付いたのか…
沢山あるけど、胸に突っかかって離れなかった一つの疑問。
何故、あいつの苗字は ‘ 鴻野 ’ でないのか…
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