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ガチャ 部屋のドアが開く音に、思わず肩をビクつかせる。 「…冬麻?」 けど、そこには涼がいて少しだけほっとすると体を起こし、布団の上で座った。 「体調は?大丈夫?」 「…うん」 あんな夢を見たあとだから元気はないけど…体調自体は悪くない。 涼がそっと僕のおでこに手をあて、目を数秒間閉じると直ぐに目を開け、柔らかく微笑んだ。 「うん、熱はないし大丈夫だろ」 「熱は…もともとなかったでしょ?」 「いや、微熱っぽかったから」 そう言うと水とタオルを僕に差し出し、近くの椅子に涼は座った。 「…とっきー達に全て話した」 「………」 真剣そうな、けど何処か不安げに涼は僕の目を見てそう告げる。 「…河木くん達は…なんて?」 一口飲んだ水を置き、眼鏡越しの涼をじっと見つめる。 「特には何も…、三人とも驚いてはいたけど冬麻が思ってるような引いてる様子はなかった」 思わず目を見開いてしまう …びっくりした。 僕は別に何も言ってないのに、涼はさっき自分が思っていたことを言い当ててしまった。 「ふふっ、冬麻の思ってることなんか眼鏡越しでも分かるよ(笑)」 そうやってドヤ顔を見せる涼は、何時もより柔らかい 自ら背負った重荷を少しだけ置けた そんな、スッキリとした印象を持てた。

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