396 / 437
┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「え、とっきーに弁当作ってもらってんの?」
「うん…言ってなかったっけ…?」
目を見開いたまんま首を横に振る涼。
特別何かカミングアウトをしたつもりもないけど、思った以上に涼のリアクションが大きかったので、何だか恥ずかしくなってきた。
「いや、ほんと…」
チラッと涼の方を見ると、何故か涼は頭を抱えている。
見ている僕に気付いたのか涼は僕を見ると苦笑いを見せた。
「え、な…なに?」
「いや…すげえなって」
苦笑いとは言っても、何かやましい事を隠すようなものではなく、呆れに近い苦笑いだ。
これ以上聞いてもより呆れられるだけだが、何が凄いのか分からないので
「何が…?」
と小さな声で聞いてみる。
そうすると案の定、涼はさっきよりも分かりやすく呆れた表情を見せた。
「まぁ、いいや…鈍感なのは今に始まったことじゃないし」
(なんか、悔しい……)
少し膨れた表情を見せると、涼がふわっと微笑みかける。
「そのまんまの冬磨が良いんだから」
そういう涼はやっぱりいつもより柔らかかった。
ともだちにシェアしよう!