397 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

(涼side) 「なんか、……今日の涼、ふわふわしてる」 相変わらずな冬磨の鈍感ぶりに笑っていると、突然そんなことを言い出す。 「…え?」 「河木くん達に話して、肩軽くなった?」 そう言いながら顔を覗き込んでくる冬磨こそ、重荷を下ろせた そんな風に見える。 「さぁ、どちらかと言うと、冬磨を見てやっと肩が軽くなったかもな」 また、俺の言葉に分からないと顔をムッとさせる冬磨。 眼鏡をかけていてもその差がわかるのは、きっと眼鏡姿の冬磨に慣れてきただけでは無い。 「強くなったな…」 過去に言った言葉と同じ言葉を冬磨にかける。 少し驚いた冬磨の表情。 けど、次に返ってきたのは泣き顔じゃなくて 「…ありがとう」 …ドキン 久しぶりに見せる柔らかい微笑みだった。 (…狡いよなぁ) 欲しくなる。 第一、俺は欲しくなったものを譲るほど優しい人間ではない。 けど… 「そういうのは、向日葵にしろよ」 冬磨の心を癒し、強くしたのは間違いなく向日葵だから。 「そ、そういうのって…?」 ふわっ 「やっぱ、向日葵には叶わねぇか…」 俺に出来るのは、冬磨の頭を優しく撫でてあげるぐらい

ともだちにシェアしよう!