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涼に改めて礼を言い、支度を全て終えた後、待ち合わせの公園へ向かうためアトリエを後にする。 昨日の雪はもう止んでおり、綺麗な青空が広がっていた。 「まーくん!サンタさんになにもらった?」 冷たい空気を少し吸っていると、隣から聞こえる子供の声。 「ぼくはねぇ、クルマのおもちゃ!」 「ええ!あのかっこいいの!?」 「そう!サンタさんがかなえてくれたんだぁ」 可愛らしくて、どこか懐かしい会話に心がふんわり優しくなる。 (そっか、クリスマスか…) 昨日の今日、そう分かっていても改めて感じてしまうのは心情の変化だろうか こんなにも爽やかで曇りのない朝は久しぶりな気がした。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 「あ、羽野!」 公園に着いた瞬間、昨日まで一緒にいた聞きなれた声が耳に入る。 「か、河木くん!?」 スマホで時計を急いでみるが、まだ待ち合わせの30分前 「羽野、やっぱ来んの早いね(笑)」 「い、いや…河木くんこそ…」 「羽野を待たせる訳にはいかないでしょ?」 そう言いながら見せてくるキラキラの笑顔に、胸がキューっと痛くなる。 寒いのが誰よりも苦手な筈なのに 今だって、幾ら厚着をしているとしても、体が小さく震えている… なのに、 「羽野に風邪を引かせるわけにはいかないからさ」 そんな、温かすぎる言葉を僕に掛けてくれるんだ。

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