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「…ごめんね」
「…え?」
「風邪…、もっと早く気付くべきだった」
悔しそうに顔を歪める河木くん。
「い、いやいや…これは、ただの自分の体調管理に問題が……」
そう言って、ベッドから身体を持ち上げる。
落ち込んだままの河木くんは、しゅんとしたまま若干の上目遣いで僕を見てくるから…
(か、…かわいい…)
胸がキュンっとして、益々熱が上がってきそう。
「こちらこそ…ごめんね……、迷惑かけちゃって」
河木くんの目の前で急に倒れて、河木くんの家まで運んでくれて…しかも、運んでくれるのも2回目だ。
河木くんの責任なんて更々ないのに……
「なんで?迷惑なんかじゃ全くないよ?」
そう言う河木くんの表情は先程と打って変わって何故か満面の笑み。
(…?何が嬉しいんだろう…)
疑問を抱きながらも、ニコニコしながら冷えピタを僕の頭に当てる河木くんは少しだけ幸せそうで、僕も心が温かくなった。
(……って、ん?)
『え?あ、ここは俺の家だよ』
『看病するには、何かと俺ん家の方が良いかなって…』
状況に思いっきし流されてたけど、いや、ちょっと待って…
(河木くんの家?…ってことは…今、寝てる場所は…)
冷静になって、今この状況が物凄い状態なことを把握する。
いつも寝てるベッドでは無い、少し大きめの黒い布団のベッド…
これを…普段使ってるのは…
(河木…くん……)
一気にレアなものに感じてきて、冷えピタで少し冷えた顔が一気に沸騰するのを感じる。
いや、本当の問題は…そこでは無い。
本当の問題は…河木くんが言った“看病”というワード
な、なんで僕は…河木くんに看病される前提で、河木くんの家にいるんだ…!?
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