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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「じゃあ、ぬがして?」
これだけは譲れないとでも言うように、羽野は俺の服の端をギュッと強く握る。
(…やばい)
これは避けられないやつだと、羽野の視線から、握った拳の強さから察した。
「……分かった」
羽野にとって、眼鏡を外されるより俺が何とか耐えて、羽野を着替えさせた方がいいに決まってる。
小さく息を吐いて…ボタンに手をかけた。
(落ち着け、落ち着くんだ河木 夏喜…)
着替えを手伝うだけだ、無心で脱がしてしまえば、後は綺麗なパジャマに着替えさせて…
グイッ
「…えっ」
羽野が身体を退かしたと思ったその瞬間、凄い勢いで再び腕を引っ張られ、ベッドの上に倒れ込む。
「は、羽野っ「ひっかかったぁ」
(……え、)
さっきとは違う、羽野の上に俺が覆い被さる形
俺の首に回された腕
久しぶりに感じた、柔らかい感触
「ちゅーってしちゃった」
ドクンッ
(あ、やばい…)
悪戯をした子供のように微笑む天使は、
(これ以上は、もう…)
俺の心臓を
「ねぇ、ぬがして?」
ドサッ
「かわき…くん?」
壊したくて堪らないようだ。
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