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「__おい、…おーい夏喜?」 「…んっ」 聞き覚えのある、俺の名前を呼ぶ声 「おーーい」 ギュッ 「いっ…」 「やっと、起きた」 頬を思いっきり抓られ目を開けると、呆れ返った顔を見せる蓮の姿。 「…あ、れ…俺…」 「風邪ひいてる冬麻くんを横に、ぶっ倒れてたのはどこの誰よ」 「え、俺倒れてた?」 「はぁ…記憶にないわけ?」 蓮に言われ、曖昧な記憶を手繰り寄せる。 確か、眼鏡の代わりに汗で気持ち悪いという羽野の服を脱がせようとしたら…風邪で豹変した羽野が急に迫ってきたんだよな… それで…… 「羽野の可愛さにぶっ倒れたんだった…」 「……はぁぁぁ?」 倒れた理由がそれかと、目をまん丸にして再び呆れた顔を見せる蓮。 「いやいやいや!あの可愛さを前に倒れない方がおかしいって!」 反論する俺に、蓮はまた溜息をつき頭を抱えた。 「…ってか、何で蓮がここにいんの?」 理由もなく蓮が俺の家に来るなんてことは無いだろうし、ましてや家の中に入るなんて…よっぽどの事があったのだろうか 「…やっぱ、夏喜って馬鹿だよね」 「なっ!?」 「そんなの、夏喜に冬麻くんが襲われないよう、過保護な涼くんが俺に頼んだに決まってんだろ!」 「は、はぁ!?そんな事するわけ……」 「ない」とは…言いきれないのが悔しい… 「『つっきーに限ってそんな事は無いだろうけど、冬麻を襲う確率は0とは言わねぇだろ』だって、少しは信頼されてるようで」 「それで何で蓮が来る必要なんだよ」 「『もし、最中に出会したら俺はもう死ぬ』だそう」 …過保護な涼さんなら本気で死にかねんな…… 「まさか、小悪魔冬麻くんを見て、襲うんじゃなく倒れるとは…流石というのか、何なのか……理性の勝利と言っていいのか……」 呆れたと言うように、頭を抑えた蓮はベッドに目をやった。 「…蓮が寝かせてあげたの?」 ベッドの上には、すやすやと眠る羽野の姿。 「倒れて使いもんにならない誰かさんの代わりにね」 「脱がせて」という羽野の願いも華麗にこなし、数々の誘惑も交わしたらしい。 情けないが、こういう扱いはきっと蓮の方が慣れてるだろうし、蓮を信頼してる分とても助かった。 「何度か襲いそうになったわ」 「はぁ!?」 蓮の衝撃的な発言に、思わず声を上げてしまう。 「そりゃ、あんな可愛い態度で声で迫られたら、襲いたくもなるでしょ。そこら辺の女より全然抱けるね」 ……前言撤回、こいつほど安心出来ない奴はいないかもしれない…

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