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羽野の看病を初めて数日、 「…ご迷惑お掛けしました…」 羽野は完全に風邪から復帰し、看病無しでも大丈夫な状態になった。 「冬麻くんが良くなって安心した♡」 「本当にありがとうございます……ていうか、何で風隼さんが…?」 ベッドの上に座る羽野は、俺の隣に立つ蓮の顔を見ると不思議そうに問いかける。 「…え?記憶にない?俺途中から看病に参加してるんだけど…」 「あ、す…すみません…、僕昔っから風邪で寝込んでる間の記憶なくて…」 「え、マジで?」 思わず2人の会話に口を挟んでしまう。 「あ、うん…家に家族がいない時に限ってよく風邪引いてたんだけど…涼が毎回看病してくれてたらしくて……その間の記憶も全く無いんだ」 マジか……そのシステムすっごい心配なんだけど……てか、本当によく涼さん耐えれたよな… 「俺、改めて涼さんを尊敬するわ…」 「は?何言ってんの?バカ夏喜」 思いっきり背中を叩かれ、痛がっていると心配そうにオロオロとする羽野。 (うん、今日も可愛い…) そんな俺の気持ちに気付いたのか蓮は大きく溜息をついた。 「ほんと、冬麻くんはコイツなんかで良いの?」 「へ!?」 「こんなデレデレした旦那…今は良くても後に重くなってきたりするよ?嫉妬深いだろうし、あまっあまだし……」 「ちょ、余計なお世話だ!」 要らないことをベラベラ話す蓮を叩いていると、何故かアワアワと慌て出す羽野。 「え、な、…何で付き合うこと…し、知ってるんですか?」 恥ずかしいのか、顔を真っ赤にさせて肩を震わす羽野にキュンっとしてると、さっきのお返しとばかりに蓮に蹴りを入れられた。 「涼さんから聞いたよ♡」 「え!?りょ、涼まで知ってるんですか!?」 「勿論♡」 益々顔を真っ赤にさせた羽野は恥ずかしさに耐えきれなくなったのか、逃げるようにベッドの中へと潜り込む。 「お、彼氏のベッドに潜り込むなんて…冬麻くん付き合って早々やるねぇ」 蓮の煽る声に羽野は急いでベッドから抜け出し、真っ赤な顔を腕で隠すとその場でしゃがみ込んだ。 (いや、人の恋人で遊ばないでくれますか…?) そう、蓮にさえ内心ちょっと妬いてしまう俺は、やはり重いのだろうか…?

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