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「いや、無理だろ…技術がどうこうの問題じゃなくて…」
「あんな、とんでもないエピソード持ってて、まともに試合しろってか?これで負けたら俺らが先輩みたいに辞めかねんぞ?」
「けど、ここで勝ったら…入部希望者も増えるかもね」
無理だと決めつける部員達にニコリと笑いながら、ポジティブな返事をするひろさん。
その言葉にぐうの音も出ないようだ。
「所詮練習試合だ。相手校だって東雲高校には舐めて試合に挑んでくると思う。だからこそ、ちゃんとメニューを決めてこなせば強豪校にだって勝てる確率は0じゃねぇだろ」
「け、けどよ…今からその試合って3ヶ月後だぜ?しかも、ちゃんとしたメニューって…」
「…考えるよ、僕で良ければ」
ここで口出しをして良いのか分からなかったが、メニュー決めは中学の頃から誰よりも得意だった。試合前の作戦や、相手の行動を解析してプランを考える事も。
それなら、実際に自分が試合に出てなくても、マネージャーとして…おかしいかもしれないが、役に立つことは出来る。
「一応、11人全員の弱点と強みは把握してるつもり……マネージャーが先に分かっといた方が、色々効率…良いかなって」
驚いたように目を見開くサッカー部員達。
「ここまでされちゃ、断れないよね?」
ひろさんがニコニコしながら、部員達に呼びかける。
「い、一週間だけだからな!お試しで…!」
何とか許しを頂き
「が、頑張ります…!」
今日から一週間、マネージャーとして働くことを認めてもらった。
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