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幸い、マネージャーの仕事は洗濯機のボタンを押してある事から、洗ったギブスを室内に干すだけなので、直ぐに終わる。
真冬なので、外で干すことは出来ないが、乾燥機付きの部屋があるらしく、暫く使ってなかったそうだが活用させてもらうことにした。
(河木くんとひろさんの分のギブスは洗えてないけど…)
他の部員の分は先に干してしまいたい。
けど、その前に練習を終わらせる気配のない河木くんを止まらせる方が先だ。
グラウンドに駆け寄り、夢中で練習を続ける河木くんに声をかける。
すると、声に気付いたのかボールを蹴るのを止め、僕の方を振り向いた。
「そろそろ、止めないと…風邪引いちゃうよ…?」
その言葉に河木くんは辺りをキョロキョロと見回し
「え、…いつ練習終わってた…?」
と衝撃の質問をしてきた。
驚きながらも部活終了から1時間経った事を伝え、タオルを差し出す
「マジか…、めっちゃ集中してたんだけど…てか、辺り真っ暗だし」
あの寒がりな河木くんが気付かない程だから、かなり集中していたのだろう。
さっきまでオレンジ色だった空も、満天の星でキラキラと輝いている。
寒さに弱い河木くんの体を心配したが、ずっと体を動かしてた分体は熱いそうだ。
「…てか、羽野!病み上がりなのに大丈夫…!?」
急に思い出したのか、慌てたように僕の肩を掴む河木くん。
「え、あ!大丈夫!ウィンブレ着てて暖かいし…基本部室での作業だったから」
「そっか…なら、良かった」
安心したように、微笑む河木くんに胸がドキンッと高鳴る。
恥ずかしくなって、一瞬下を向いた。
ふと河木くんが練習を止めて数分が経っていることを思い出す。
汗が少し引きかけてる状態だと河木くんまで風邪を引いてしまうんじゃないかと心配になり、顔を上げると、持っていたもう一つのタオルで河木くんの額を拭いた。
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