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第18話 *
「……ああ、ァ、ああ……ん、ぃ、いい……」
自分とは思えないか弱い声がもれる。
いつもは、たとえオメガであっても、理性的に礼儀正しく生きていこうと心がけているのに、そんな意思もアルファに与えられる快楽に簡単に崩壊してしまう。
悲しい。けれど、信じられないくらい気持ちがいい。
「ああ、ぁ、や、いく……やめて、もう、もぉ願いですから……っ」
「いくんだよ。そのためにヤってるんだから」
獅旺の冷徹な言い草に、夕侑の目に涙がにじむ。
「ひど……」
「いけば、楽になるだろう?」
男らしい声が欲情に昂ぶっている。それに反応して性器と後孔がビクンビクンと波打った。
「ぁ、は――」
身体中をなぶられて、波にさらわれるように一気に高みに連れていかれる。
夕侑は全身を痙攣させ、激しく逐情した。
「あアッ――やだっ、……――ん、んん、ぅッ…………」
「――っ、すごい匂いだ」
獅旺も声を掠れさせて追うように射精する。熱い飛沫が、尾てい骨にかかるのがわかった。
「ああ、甘い」
夕侑の精液を舌で受けとめた白原も、恍惚とした表情になる。
「やばいよ。このフェロモンは。中毒になる。今までの獣人オメガの奨学生と全然違う、――っ」
リングに歯を立てながら身を震わせて、白原も際をこえる。獣のような唸り声をあげつつ、白濁した体液を大量に放出した。
「ヒト族を舐めてたな。この子は魔性のオメガだ」
白原の目つきが変わる。底知れぬ情欲と独占欲がそこにはあった。
「ああ。俺もおかしくなりそうだ」
獅旺が夕侑のあごを掴んで、自分のほうを振り向かせる。
間近にせまった顔には、白原と同じく支配欲に乱れた瞳が、爛々と輝いていた。
「……ぁ」
獅旺が唇を合わせてくる。力強く夕侑の唇を食み、そして上唇の裏を舐めてくる。
「……ん、ぁ」
ぞくぞくとした愉悦が背筋を走り、下肢が再び疼いてくるのがわかった。
底なしに、この人が欲しくなる。
夕侑の瞳がトロリと緩んできたのを見て、獅旺の目元がほんのわずか嬉しそうに細められる。
その魅力的な容貌に、胸は禁忌の痛みと、憧憬の狭間に大きく軋んだ。
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