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第42話
「あの、今度の日曜日。富士遊園地で、サニーマンのショーがあります。よかったら、観にいってください。僕の、友人が出ます」
いきなり話題を変えた夕侑を、不思議そうに見返してくる。
獅旺がサニーマンを好きだと認めたことで、夕侑の口は勝手に喋り出していた。
「ショーを観たことありますか? すごく、恰好いいんですよ。まるで本物のサニーマンが現れたみたいで」
「サニーマンのショー?」
「ええ」
「遊園地で?」
「はい」
「お前もいくのか」
「いえ。僕はいけません。発情しちゃうと周囲に迷惑をかけてしまうので。神永先生にも、つきそいがないとダメだと言われました」
獅旺はしばらく返事をしなかった。何かを思案するように、黙ったままこちらを見つめてくる。
やがて口をひらくと思いがけないことを言った。
「遊園地には、いったことがない」
「えっ」
「そういう遊び場は、ヒマな庶民がいく場所だと教えられたから」
「……そ、そうなのですか」
夕侑にとっては、入園料さえ高価な遊び場だったのだが。
「なので、どういう所なのか、よく知らない」
「……」
「だから、お前が、一緒にきて案内するんだ」
言われて、夕侑は目を見ひらいた。
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