105 / 112

第105話 *

「あなたの番になりますから」  言うと、獅旺は身を倒し、夕侑に深く口づけてきた。ギュッと抱きしめられて、獅子のフェロモンに陶酔する。  夕侑も相手の首に手を回した。互いの身体をひとつにするように、長い時間、抱きあってキスをする。  好きだという気持ちがどうしようもなくあふれてきて、心をかき乱す。この人しかいない。もう自分には、この相手しか存在しない。  そうして、心と身体が理解する。  運命が番を決めるのではなく、自分たちが運命を決めるのだと。  出会った瞬間、惹かれあう本能が運命の番を作り出す。互いにとって一番必要な相手を、直感が見つけ出すのだ。 「好きです」  キスの合間にささやく。 「あなたが、好き」  心臓が痛むほど、愛している。息をするのも苦しいくらいに。 「俺も好きだ」  獅旺が口角を持ちあげて、男らしい笑顔を見せる。  そして夕侑の服を早急に脱がしていき、貞操帯をあらわにした。  貞操帯には、鍵孔がへそのすぐ下にある。獅旺がもうひとつの鍵を孔にさしこみ回すと、かるい音がしてベルトが外れた。  何年ぶりかの開放感に、夕侑は本当にこれからこの人とつながるのだと、緊張と期待のような昂りを感じた。  夕侑にまたがる獅旺も、背広を上着から順に脱いでいく。ネクタイを外し、シャツを脱ぎ捨てて下着も取り去ると、アルファ特有の根元に瘤のついた太い性器が現れる。  ついじっと見てしまうと、夕侑の視線に気づいた獅旺が明るい色気を含んだ笑みを返してきた。

ともだちにシェアしよう!