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第108話 *

 獅旺が、たまらないというように短く喘ぐ。そして鋼のように硬くなった己を、焦らすように揺らしつつ抜きさしを始めた。 「ゃ、あ、……ぁ……」  皮膚と粘膜の境目が、獅旺の肉茎でめくられたり押しこまれたりすると、そのたびに甘い甘い感覚が下肢を襲う。  獅旺は夕侑を突きあげながら、耳や首にキスをしてきた。そしてうなじのある一点を探るようにして、舌をはわせる。 「噛んでもいいか」  吐息混じりの熱い懇願に、夕侑の肌もざわめいた。 「……はい」  すると獅旺の肩に力がこもる。ググッと筋肉が盛りあがり、かしげた顔には獅子の影が揺らめいた。  獣化するのか思ったら、犬歯だけがのびてくる。あけた口から尖った歯が見えた。その先端を、夕侑の皮膚に食いこませる。  ――あ。  牙が皮下に入りこみ、うなじの奥でプツリと嚢が弾ける感覚がきた。するとそこから何かが流れ出て、全身に広がっていく気配がする。獅旺の唾液を取りこんで変化した分泌液が、夕侑の身体を作りかえていくのだ。 「――ん、んんっ」  その刺激に、つい相手を咥えこんでいる場所を締めつけてしまう。 「――クッ」  獅旺は唸りながら、筋肉の張った肩を奮わせた。 「動いてもいいか」  こらえきれないといった様子でたずねる。 「ん……、いぃ……、です」

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